進学塾と学校の掛け算で教育は多様化します

進学塾割合

東大生の約8割以上、早稲田慶応、一橋大を含む主要難関難関大学の生徒の9割以上が塾通いを経験しているというデータがあります。これは、2009年に東大家庭教師友の会が実施したアンケート結果です。

日本の学力トップ層の少なくとも9割前後が塾に通った経験があるという事ですが、主要難関大学よりも東大生の通塾率が少しだけ低いのは、主要難関大に比べて、東大生は地方組の割合も高いからでしょう。地方に良い塾がない地域も多く、そういう生徒はZ会などの通信教育を利用していた可能性もありますからね。

同調査はさらに「学習塾が必要だと思った時期はいつですか?」という質問の結果も発表していて、それによれば東大生の場合は「中学受験」が33.6%、「高校受験」が23.5%、「大学受験」が27.8%です。日本の学力トップ層の少なくとも3人に1人は中学受験をしていることがわかります。まあアンケート結果を見ずともそれは明確でしたけどね。入試という選抜を経て上級の学校に進学する日本の学校制度においては、もはや通塾は欠かせない存在になっていると誰もが認識にしているという事でしょう。

学力上位層の生徒が通う進学塾は限られている

さらに興味深いのが、「開成→東大」「灘→東大」など「学校歴」のバリエーションはそれなりにあるものの、「四谷大塚→東進」「サピックス→代々木ゼミナール」などの「塾歴」のバリエーションは意外なほど少ないという事です。

例えば2013年の東大合格者数ランキングの上位50校のうち、私立・公立の中高一貫校は40校。その合格者数を足すだけで1500名になりますから、東大全合格者3000人の半数が私立・公立の中高一貫校出身者によって占められていることになるわけです。学力トップの生徒がごく一部の中高一貫校に極端に偏って存在していることをこの数字が物語っていますよね。

しかし、そのような中高一貫校に中学から入学するための中学受験進学塾はさらに数が絞られます。

首都圏に約340ある中高一貫校への塾からの合格者数全体のうち、日能研、四谷大塚、サピックス、早稲田アカデミー、栄光ゼミナール、市進学院の6塾の合格者数の総数は全体のなんと9割にも及びます。例えば東大合格者数トップの開成の場合、中学からの入学定員300名のうち200名近くがサピックス出身者なのです。関西圏で見ても、浜学園、日能研、希学園、能開センター、馬淵教室の5塾が合格者の大半を占めています。関西の雄、灘中学校の合格者の半数以上は浜学園出身です。

それだけの学力ある、未来ある子供たちを預かるわけですから、進学塾の講師たちも大変です。プレッシャーを感じる先生も少なくないでしょう。塾講師求人はたくさん出ていますが、その中でも中学受験の講師は特殊で、非常に市場価値が高いのです。

また、そのような中高一貫生が大学受験のために通う塾も選択肢は意外に少ないです。東進、駿台、河合塾、代々木ゼミナールなどの大手予備校の現役生向けコースか、鉄緑会、平岡塾、SEGなどの名門中高一貫校向け中小規模塾の出身者が東大合格者の半数を占めているのです。